2010年03月12日

スウィッチ!

電車の窓から、めずらしくボンヤリと外を眺めていました。
普段は音楽を聴いたり本を読んだり眠ったり、とかく何かをしたがります。昨日もそうして過ごす、という選択は可能だったわけですが、しかしわたしは景色を眺めていました。

よく「人生に無駄な事はない」と言います。まったくその通りだと思います。「人生に有意義に捉えられない事はない」と言い替えるとより明らかでしょう。
こうした言葉自体にさほどの意味は感じませんが、しかしこれを実現させながら生きてみたいものだ、とは思います。ボンヤリとしたその生活をも活かしきることは、やはり容易ではないのでしょう。



友人―そう、以前登場した彼女です―に、「文章がきれい」とほめていただきました。
ほめ言葉は何であれうれしいものですが、これは本当に心にしみわたる一言でした。
彼女の俗っぽい文章はかえって持ち前の快活さも感じさせ、何より「きれい」の3文字が言いようのない温かみと甘美さを漂わせていました。

ここまで書いてようやく、わたしは自らがいかに野暮であるかに気付きます。なんとはなしに、デリダの言う(書く)暴力性を思い返しています。

とまれ、井上靖風に言えば、美しい故里に生まれながら美しい心も持たないわたしですから、せめて文章くらいは美しくありたいと思うのです。



Posted by シナモン at 15:15│Comments(0)
 
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